2018年5月17日木曜日

UCI mountain bike marathon series Singen-Germany

UCI mountain bike marathon series Class-3 Singen-Germany

2018年 5月13日(日)開催

出走カテゴリ:Elite men (2 laps × 48.5km)

天候・コースコンディション:晴れ/曇り・ドライ

リザルト:27位/64名出走 (54名完走)

バイクメンテナンス・パーソナルサポート:PAXPROJECT・PowerBar,TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT XC-29er with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT XC-29er (gearratio:36 × 10-50t)

Distance:104.0km  time:4°02'08"  ave speed:25.8km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less 

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.8bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)

Normalized power:314w TSS:290.0 work:3,891kJ

Ave heartrate:158bpm Max heartrate:181bpm

Energy food, drink:PowerGel × 5 , TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets



ドイツ ジンゲンで開催された UCI mountain bike marathon series Class-3 に参戦してきました。

参加の目的としては、欧州レースでの現状の自身のレベルを把握する他、昨年このジンゲンの地で行われたマラソン世界選手権でのリベンジをしたいといったことがありましたが、一番の目的は、UCI Class-3 のレースで40位以内に与えられる、XCM(クロスカントリー・マラソン) のUCIポイント獲得が狙いでした。

そのため、今年に入ってからのトレーニングは、このレースでしっかり結果を残すことができるように、マラソン競技メインの練習を中心に行い、ロードの練習会にあえてMTBで参加し、マラソン競技に必要なスピードエンデュランスを養成するトレーニングや、登りを計120分ほど淡々とTempo ゾーンで走る、といったトレーニングを多く取り入れてきました。

そのような取り組みもあり、Coupe du Japon 朽木ステージも優勝で終えられ、幸先のよいスタートを切ることができ、ドイツ遠征も無難にこなせるだろうと考えていた矢先、ドイツ遠征直前に、仕事と練習、生活のリズムが若干ずれてしまったことが原因なのか、内臓系の器官の調子が悪くなってしまい、本来の状態でレースに臨むことが危うい状態で日本を出国しました。

また、今回は46日という、やや強行スケジュールであったため、体調をいち早く回復させることが求められました。ドイツに入国してからは、しっかりとした食事をすることはもちろん、休養を多めに取り、レース前日には、80%の状態まで回復させることができました。


レースのコースについては、昨年のマラソン世界選手権とほぼ同じコースであったため、コースの大まかな流れは掴めていたことが幸いで、レース前々日、前日と行った試走では比較的スムーズに行うことができ、コースを覚える以外の、コースのベストラインの確認、集団走行時や路面状況に応じたラインの確認など、プラスアルファの部分まで考える余裕もありました。

コースと機材のバランスがほぼ完璧な状態で整い、あとはレース当日の私自身の体調次第という状態で、レース前日は早めに就寝しました。

レース当日。
雨予報であった天候も、良い方に外れて、晴れ時々曇りといった天候。

体調も悪くなく、内臓系の器官はほぼ通常通り機能する状態でレースに臨めました。

また、ウォームアップは、実走で30分ほど強弱をつけて行い、本来の私自身の走りができていることもここで確認でき、自信を持ってレースに臨めました。

1030分(日本時間1730分)。
最左寄り、6列目ほどの位置から 約48.5kmを2周回となった  男子エリートレースがスタート。

スタート直後は道幅が狭いこともあって、比較的ゆったりとした落ち着いたペースで進んでいき、道幅が広くなる登り区間から、いよいよ本格的にレーススタート。

 3分弱の登り区間でありながら、500w(約7.4倍)ほどで踏まないと周りの選手と同じスピードで走れないような状態。
このレベルで走れていることを、その時点で既に嬉しく思い、またこれからの展開に若干高揚しながら、先頭集団の最後尾あたりでレースを進めていきます。

 マラソン競技では、集団で走ることが長い距離を速く走るためには不可欠であり、このジンゲンのコースに至っては、舗装路の直線区間も多く、出来るだけ集団で走り、足を貯める行為が必要となりました。

さすがに、10km地点に行くころには先頭集団のペースについていくことが厳しくなり、集団が見える範囲で展開。この時点での先頭集団は13~14人ほど。
そこから私のように徐々に落ちてくる選手同士で、また集団を作って第2集団を形成し、15位争いのパックでしばらくレースを進めていきました。



身体も良く動き、15~20位あたりを順位の目標として、レースプランニングしていきます。

変化があったのは30km過ぎの地点。
長めの急勾配登りが終わったあとの果実園のダウンヒル。
上半身が固まっているのが自身でも分かり、思うようにバイクを操れないまま下りへ。
ちょっとした溝で、私のミスでリアタイヤをスリップさせてしまい、コース左側に激しく転倒。
幸いなことに、バイクに損傷はありませんでしたが、左膝を強打してしまい、直ぐバイクには跨れたものの、痛みでしばらくペダルが回せない状態。
一旦はレースを棄権しようと考えましたが、何のためにドイツまで来たのか、ここでレースを止める訳にはいかないと思い、走れる状態である以上、40位以内のUCIポイント圏内でゴールすることに目標を下方修正し、レースを続行しました。

 その後は、膝の感覚が徐々に回復し負荷を掛けても痛みが出ない状態まで戻りました。
しばらくは、落車してしまった自身を責める気持ちもありましたが、一度起こしてしまったミスを引きずっても仕方がないので、気持ちを切り替え走行していきます。
マラソン競技に限ったことではないですが、一度のミスが致命的になる、ということをこの時改めて痛感させられました。

15~20位パックは視界には捕えていたものの、単独走行で集団のパックに追いつける訳もなく、前から下がってきた選手や、単独で後ろから上がってきた選手を交えて20~23位の順位で走行し、1周回目を 22位で終えます。

2周目以降は、当たり前ですが 1周目のようなパワーは出せる訳もなく、我慢の走りが続きました。

60km地点あたりで、後続から上がってきた6~7名のパックを上手く使いながら、しばらくは走行していきますが、やがてはその集団からも離れてしまい、また単独走行の28位でレースを進めていきます。

1周目と比べて明らかにパフォーマンスが落ちていると分かりながらも、ひたすら耐える走り。
出力でいうと、350w出すのがやっとの状態。膝の痛み以前に、1周目で脚力を使い切ってしまったということもありましたが、精神的にかなりきているものがありました。

また、1周目に補給食をあまり摂取できなかったため、2周目以降軽いハンガーノック状態になってしまっていたものの、ジェル系の補給食を多めに取って回復し、淡々とゴールを目指しました。

1周目に落車した箇所はもちろん、シングルトラック内においても、リスクを最小限に、丁寧に走りレースを進めていきました。

終盤、ラスト5kmほどで 27位。
後続から 2名の選手が上がってきましたが、なんとか食らい着き、27位争いパックでゴール地点へ向かいます。
ラスト 1kmの軽い登りで私が仕掛けて、そこからスパート。
膝が痛いのも気にならないぐらい、無我夢中でペダルを踏みました。

そして、ラストのスプリント。


何とか競り勝ち、UCI marathon series Singen は 27位で終えました。
ゴール後は、膝の痛みが酷く救護室に直行。軽く手当を受け、レース終了後しばらくして、酷い痛みは無くなり、無事に日本まで帰国できました。


今回のレースは、マラソン UCI ポイント獲得がマストな目標でであったため、形はともあれ、27位の13pt獲得で終えられホッとしている部分はあります。また、落車が無ければ20位以内に入れた可能性もあり、今までの努力は決して無駄ではなかったことも確認出来ました。
しかし、昨年の世界選手権と同様、ヨーロッパのトップ選手との差は未だ大きく、さらなる自身の進化が必要である事も実感しました。それでも、最初の10kmと短かったものの、ヨーロッパトップ選手で構成された先頭集団に着いていき、そこで得られたことはとても多く、落車を含めた結果はともあれ、レースの内容は現状では納得しています。

私の専門とするMTBマラソン競技は、日本国内ではホビーレースしか無く、UCI ポイントを獲得するためには、どうしても海外のレースに出る必要があります。
しかし、そういった中で自身の現状の競技レベルを世界基準で考えることができ、また速い選手・強い選手はどういったレース内容でレースを展開していくのか、といったことを勉強できるとても貴重な機会でもあります。

この、マウンテンバイクマラソン、という競技を続けていく中で、またこういったレースに参加し、私が海外のレースに参加する中で感じ、得られたことを、より多くの方に知っていただき、国内のマウンテンバイクマラソン競技の発展に少しでも繋がっていけば幸いです。

最後になりますが、日本国内からのたくさんのご声援、誠にありがとうございました。

次戦は、地元 王滝村で開催の SDA in 王滝 100kmとなります。
疲労が抜けきらない状態で臨むことになりますが、現状で出来る最高のパフォーマンスが出来ればと思います。


team PAXPROJECT  宮津
 

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