2018年5月23日水曜日

SDA in 王滝 2018 100km

SDA in 王滝 2018 100km

2018年 5月20日(日)開催

出走カテゴリ:100km (1way course)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ、ウェット

リザルト:総合2位

バイクメンテナンス・パーソナルサポート:PAXPROJECT PowerBar, TopSpeed, LAKE, New-HALE

Ride data of  PAXPROJECT FS-29er prototype with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT FS-29er (gearratio:36 × 10-50t)

Distance:91.4km  time:4°08'22"  ave speed:22.1km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.7bar, IRC tire G-CLAW 1.8bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 36t)

Normalized power:294w TSS:259.0 work:3,856kJ Elevation gain:2285m

Ave heartrate:158bpm Max heartrate:175bpm

Energy food, drink:PowerGel × 6 , TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets


5月19~20日に開催された、SDA in 王滝 に参戦してきました。
結果は総合2位と、絶対に勝ちたいと思っていたレースを落としてしまい、落ち込んでいる部分も大きいですが、それもまた経験と捉え、今は前向きに次の目標に向かっています。

今回のレース内容は、一人の選手としての目線で書かせていただきます。
別途で、スタッフとしての総評も書かせていただきましたので、よろしければご参照ください。


私は4月より、王滝村地域おこし協力隊として王滝村に定住しながら仕事をする中で、今回から初めてこのSDAシリーズのレースに、選手の傍ら、スタッフとしてもレースに携わさせていただくことになりました。

また、今回のレース前週に参戦した UCI mountain bike maathon series Germany
SDA in 王滝と同じマラソン競技でありながらも、世界選手権で上位に入るような選手も参加したこのレースに出場してから強行での参戦となりました。
時差ぼけの影響や、移動での疲労、またそのレースで痛めてしまった膝の影響もあり、ベストな状態にまでコンディションを上げる調整能力も、それと同時に試されました。

レース前日は、パワースポーツさん主催のファンライドツアーのアテンド役として務めながら、会場の設営や、作業など、慌ただしく動き、一息つくことができたのは、帰宅して翌日の準備を終えた21時過ぎ。
翌日のプランニングや、業務内容を確認し、21時30分に就寝しました。

レース当日は、3時30分起床。
朝は、炭水化物中心の食事を取ったのち自宅でゆっくり過ごし、会場であるスポーツ公園には5時15分入り。

調子の確認も含むウォームアップをローラーにて15分ほど行い、身体も良く動き、連戦の疲れもさほど出ていない比較的良い状態で、自信を持ってスタートラインに並ぶことができました。
去年に引き続き、レース前の安全祈願を担当させていただきました。
Photo; S.ikeda san
午前6時。100kmの部門がスタート。

スタート直後は10分ほど、舗装路のパレード走行。
多少の会話を挟みながらも、選手各々集中力を高めている状態。
Photo; S.ikeda san
無論、私も現状の調子を確認すべく、リアルスタートに備え身体を温めていきます。

氷ヶ瀬のゲートを通過し、先導車が離れリアルスタート。

今回のレース、コースの大幅な変更もありましたが、地元のレースということもあり、目標は総合優勝と定めレースに臨みました。
その中で、現状の私がマークすべきと考えた選手はただ一人。
ドイツからの留学生、German Technology Racing Team 所属 Lysander Kiesel 選手でした。
前週のCouoe du Japon XCO 八幡浜では、3位に入賞しており、彼が今回出場する情報を得てからは、体格や特性、レース機材についての情報を集め、今回の王滝でのレースに向けてどう戦うべきかを考え、具体的な作戦を立てレースに臨みました。

スタート直後は、比較的ゆったりとしたペース。
その中でも、昨年と同様に TEAM SCOTT の松本選手がペースメイク。
それに、私とKiesel選手が若干距離と取りながら第1区間の登りを走行していきます。
松本選手が序盤の登坂区間では、ランデブ状態になることは予定内で、逆に、登りでのペースメイクをしていただき、如何に後半に向け脚力・体力を温存するか、またKiesel選手のこのコースとの相性を探れるか、という2つのことに集中してレースを進めていきました。

出力で考えるとTempoレンジ、心拍数では80~85%ほどの余裕の持ったペース。
時より、松本選手と先頭交代を交えながらも、前には出ず、後方で様子を伺っているKiesel選手の動きを観察しながら、第1区間の登りを展開していきます。

コース変更区間の、120kmで使用されるループ区間の登りを終え、いよいよ下り区間に突入。
下り区間も、序盤は私、松本選手、そしてKiesel選手の順に展開。
例年より、落石が多く、コース状況は悪いということを事前に把握していたための、先頭でのレース展開でした。

その後は、第1区間の登りと同じような展開。
時機に、松本選手がのレース先頭パックから離れ、私とKiesel選手のランデブがスタート。
ここからが、本当のレースと考え様子を伺いながらレースを進めていきました。

常に私が前、Kiesel選手が後ろ、の状態でレース展開。
私が登り区間で数秒タイム差を得て下りに入ると、Kiesel選手が下り区間終了時に私に追いつくという、ひたすらこの流れの繰り返しでした。
登りではマイペースで登ることができ、下りでは私の通ったラインに合わせて下れる、後追いのアドバンテージ。
先行している私の方が、明らかに無駄なエネルギを使って損している実感はもちろんありましたが、コースを全く知らないKiesel選手に対して、当然の行為だと考え、常に先行してレースを進めていきました。

第1チェックポイントは、1時間42分台で通過。
Normalized Powerは310~320wほど。
ペースも出力もほぼ予定通り。
パックの形態は変えず、そのまま下り、三浦ダムの平坦区間へ。

平坦区間では、現状ペースを維持するため、Kiesel選手にローテーションを要求。
快く受け入れてもらい、30km/h前後で余裕を持ち進めていきます。

実は、このローテーションの要求、Kiesel選手の今後の行動を探るうえで重要な行為と位置付けていました。
Kiesel選手は先頭にほとんど出ず、彼のペダリング動作や技術的な能力がほとんど分からない状況であったため、平坦区間での動きを観察し、どういったセクションが得意なのか把握していきます。
例えば、平坦気味の登りか、急な斜度で落石が多いような登りか、それともアップダウンの多い単発的な登りか。
ここで得られた情報を、三浦ダム以降のコースプロフィールに当てはめ、どの区間で私が仕掛ければ、Kiesel選手とのタイムアドバンテージを得られるか、そして私の方が最終的に先にゴールできるのか、考えながらレースを進めました。

三浦ダム以降の登りセクション。
私が先行なのは変わらず。しかし、Kiesel選手の登坂ペースが若干落ちたように感じ取れました。

ここで立てた作戦は2つ。
1つ目は、第2チェックポイントである一ノ瀬までに30秒以上のタイムアドバンテージを得て、第3チェックポイント以降をそのままリードし進めていく作戦。
2つ目は、第2チェックポイントまでは、仕掛けるのを我慢し、第3チェックポイント以降の舗装を含む緩斜度な登りで仕掛けリードする作戦。

Kiesel選手の登坂の様子を見ながら、前者の1つ目の作戦で行くことに決め、レースを進めていきます。

一ノ瀬までの登り区間でタイムアドバンテージを得るため、その区間はThershold FTP強度付近まで、負荷を掛けペダルを回していきます。
その時点では、この区間の後、多少のペースダウンがあったとしてもこのペースでゴールまで持ち、トップでゴールできる自信がありました。

第2チェックポイントの一ノ瀬へ。
3時間06分台で通過し、一気に10kmを超える下り区間へ。
後続にKiesel選手の姿はなく、このまま快調にりリズムを作っていくべく、レースの主導権を握ります。

ダートの林道下りの区間を終え、舗装路の下り区間へ。
ここでの動きが、今回のレースの大きなポイントとなりました。

舗装路下り、トップギアの10tを使い切り、トルクを掛けながらペダリングしていきます。
しかし、下り区間で足を休めるという、当初の計画とは正反対の行為。
速いリズムは保てたものの、足の疲労が徐々に溜まっていく実感がありました。

真っ暗のトンネル区間も安全に通過し、いよいよ下り区間を終え、登り区間へ。

第3チェックポイント 滝越 78㎞地点。
3時間27分台、依然トップの状態で通過。

しかし、ここから予定調和が始まりました。
下り区間で休められなかった足は、登り区間に入ってもキレの状態が全く無く、とにかく足が回らない状態。
おまけに、登り区間のタイム逆算から考えたエネルギ補給プランだったため、手持ちの補給食が殆どない状況で、完全なハンガーノック状態。
視界は狭まり、徐々に白い景色の幻想が脳内に見え始めてしまい、緊急時用のTopSpeedを流し込み回復を見込みつつも、状況は悪くなっていく一方。

そこからの記憶があいまいになってしまい、どうこうして惰性でペダリングし踏ん張っている間にKiesel選手に交わされてしまい、2位に後退。

力を出したくても、身体がそれを受け付けない状態。
なんとももどかしく、また非常に情けなく、これほど辛い思いをしたのは去年の王滝以来でした。

やっとの思いで最後の登り区間を終え、下り区間へ。
視界が効かない中、追いつけるかもしれないチャンスにかけて、全力で追いました。

ゴールに近づくにつれ徐々に、"負ける"とい文字が頭を過ぎりはじめ、ラスト1km地点でも依然変わらず2位で通過。

そして、ゴールラインが見え、負けを確信。
2018年 SDA in 王滝 総合2位で終えました。

ゴール後は、意識が軽く飛び、暫く立ち上がれなかったものの、回復次第 Kiesel選手のもとへ。
ここ王滝が地元であり、また登坂能力レベルから分析し、一番ライバル視されていた私の動きを最後まで徹底的に観察し、マークされていたことが分かっていただけに、本当にあっぱれな総合優勝でした。


私個人としてのレースの感想は、絶対勝ちたいと思っていたレースを落としてしまい、正直なところかなり落ち込んでいます。
しかし、ここ王滝のレースにわざわざ海外の選手に出場していただけたという行為が、落ち込んでいることに対しての矛盾になってしまいますが、とても嬉しく感じました。
このSDA in 王滝、セルフディスカバリーアドベンチャーシリーズの、最終的なレースの目標は、私としてはやはり国際規模の、大きなレースになって欲しいと思っています。
そのためにも、今回参加していただいた海外のトップ選手、Lysander Kiesel選手や、カナダ出身のSonya Looney選手に参加いただいたことは、今後のこのレースの在り方としても良い流れに繋がっていくと思っています。


これからもっと、このSDA in 王滝 というレースを盛り上げていくためにも、そして、王滝村の復興を目的として当初始めたこのレースの本来の目的を達成するためにも、1人の選手としてまた、1人のスタッフとして、このレースの更なる発展に努めていくべく、結びの挨拶とさせていただきます。

最後になりますが、正規ルートを取れない中にも関わらず、多くの選手にご参加いただき、またスタッフとしてご協力いただきまして、誠にありがとうございました。
そして、本当にお疲れ様でした。

皆様、ありがとうございました。

Photo; Araki san
team PAXPROJECT
王滝村地域おこし協力隊
宮津 旭


2018年5月17日木曜日

UCI mountain bike marathon series Singen-Germany

UCI mountain bike marathon series Class-3 Singen-Germany

2018年 5月13日(日)開催

出走カテゴリ:Elite men (2 laps × 48.5km)

天候・コースコンディション:晴れ/曇り・ドライ

リザルト:27位/64名出走 (54名完走)

バイクメンテナンス・パーソナルサポート:PAXPROJECT・PowerBar,TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT XC-29er with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT XC-29er (gearratio:36 × 10-50t)

Distance:104.0km  time:4°02'08"  ave speed:25.8km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less 

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.8bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)

Normalized power:314w TSS:290.0 work:3,891kJ

Ave heartrate:158bpm Max heartrate:181bpm

Energy food, drink:PowerGel × 5 , TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets



ドイツ ジンゲンで開催された UCI mountain bike marathon series Class-3 に参戦してきました。

参加の目的としては、欧州レースでの現状の自身のレベルを把握する他、昨年このジンゲンの地で行われたマラソン世界選手権でのリベンジをしたいといったことがありましたが、一番の目的は、UCI Class-3 のレースで40位以内に与えられる、XCM(クロスカントリー・マラソン) のUCIポイント獲得が狙いでした。

そのため、今年に入ってからのトレーニングは、このレースでしっかり結果を残すことができるように、マラソン競技メインの練習を中心に行い、ロードの練習会にあえてMTBで参加し、マラソン競技に必要なスピードエンデュランスを養成するトレーニングや、登りを計120分ほど淡々とTempo ゾーンで走る、といったトレーニングを多く取り入れてきました。

そのような取り組みもあり、Coupe du Japon 朽木ステージも優勝で終えられ、幸先のよいスタートを切ることができ、ドイツ遠征も無難にこなせるだろうと考えていた矢先、ドイツ遠征直前に、仕事と練習、生活のリズムが若干ずれてしまったことが原因なのか、内臓系の器官の調子が悪くなってしまい、本来の状態でレースに臨むことが危うい状態で日本を出国しました。

また、今回は46日という、やや強行スケジュールであったため、体調をいち早く回復させることが求められました。ドイツに入国してからは、しっかりとした食事をすることはもちろん、休養を多めに取り、レース前日には、80%の状態まで回復させることができました。


レースのコースについては、昨年のマラソン世界選手権とほぼ同じコースであったため、コースの大まかな流れは掴めていたことが幸いで、レース前々日、前日と行った試走では比較的スムーズに行うことができ、コースを覚える以外の、コースのベストラインの確認、集団走行時や路面状況に応じたラインの確認など、プラスアルファの部分まで考える余裕もありました。

コースと機材のバランスがほぼ完璧な状態で整い、あとはレース当日の私自身の体調次第という状態で、レース前日は早めに就寝しました。

レース当日。
雨予報であった天候も、良い方に外れて、晴れ時々曇りといった天候。

体調も悪くなく、内臓系の器官はほぼ通常通り機能する状態でレースに臨めました。

また、ウォームアップは、実走で30分ほど強弱をつけて行い、本来の私自身の走りができていることもここで確認でき、自信を持ってレースに臨めました。

1030分(日本時間1730分)。
最左寄り、6列目ほどの位置から 約48.5kmを2周回となった  男子エリートレースがスタート。

スタート直後は道幅が狭いこともあって、比較的ゆったりとした落ち着いたペースで進んでいき、道幅が広くなる登り区間から、いよいよ本格的にレーススタート。

 3分弱の登り区間でありながら、500w(約7.4倍)ほどで踏まないと周りの選手と同じスピードで走れないような状態。
このレベルで走れていることを、その時点で既に嬉しく思い、またこれからの展開に若干高揚しながら、先頭集団の最後尾あたりでレースを進めていきます。

 マラソン競技では、集団で走ることが長い距離を速く走るためには不可欠であり、このジンゲンのコースに至っては、舗装路の直線区間も多く、出来るだけ集団で走り、足を貯める行為が必要となりました。

さすがに、10km地点に行くころには先頭集団のペースについていくことが厳しくなり、集団が見える範囲で展開。この時点での先頭集団は13~14人ほど。
そこから私のように徐々に落ちてくる選手同士で、また集団を作って第2集団を形成し、15位争いのパックでしばらくレースを進めていきました。



身体も良く動き、15~20位あたりを順位の目標として、レースプランニングしていきます。

変化があったのは30km過ぎの地点。
長めの急勾配登りが終わったあとの果実園のダウンヒル。
上半身が固まっているのが自身でも分かり、思うようにバイクを操れないまま下りへ。
ちょっとした溝で、私のミスでリアタイヤをスリップさせてしまい、コース左側に激しく転倒。
幸いなことに、バイクに損傷はありませんでしたが、左膝を強打してしまい、直ぐバイクには跨れたものの、痛みでしばらくペダルが回せない状態。
一旦はレースを棄権しようと考えましたが、何のためにドイツまで来たのか、ここでレースを止める訳にはいかないと思い、走れる状態である以上、40位以内のUCIポイント圏内でゴールすることに目標を下方修正し、レースを続行しました。

 その後は、膝の感覚が徐々に回復し負荷を掛けても痛みが出ない状態まで戻りました。
しばらくは、落車してしまった自身を責める気持ちもありましたが、一度起こしてしまったミスを引きずっても仕方がないので、気持ちを切り替え走行していきます。
マラソン競技に限ったことではないですが、一度のミスが致命的になる、ということをこの時改めて痛感させられました。

15~20位パックは視界には捕えていたものの、単独走行で集団のパックに追いつける訳もなく、前から下がってきた選手や、単独で後ろから上がってきた選手を交えて20~23位の順位で走行し、1周回目を 22位で終えます。

2周目以降は、当たり前ですが 1周目のようなパワーは出せる訳もなく、我慢の走りが続きました。

60km地点あたりで、後続から上がってきた6~7名のパックを上手く使いながら、しばらくは走行していきますが、やがてはその集団からも離れてしまい、また単独走行の28位でレースを進めていきます。

1周目と比べて明らかにパフォーマンスが落ちていると分かりながらも、ひたすら耐える走り。
出力でいうと、350w出すのがやっとの状態。膝の痛み以前に、1周目で脚力を使い切ってしまったということもありましたが、精神的にかなりきているものがありました。

また、1周目に補給食をあまり摂取できなかったため、2周目以降軽いハンガーノック状態になってしまっていたものの、ジェル系の補給食を多めに取って回復し、淡々とゴールを目指しました。

1周目に落車した箇所はもちろん、シングルトラック内においても、リスクを最小限に、丁寧に走りレースを進めていきました。

終盤、ラスト5kmほどで 27位。
後続から 2名の選手が上がってきましたが、なんとか食らい着き、27位争いパックでゴール地点へ向かいます。
ラスト 1kmの軽い登りで私が仕掛けて、そこからスパート。
膝が痛いのも気にならないぐらい、無我夢中でペダルを踏みました。

そして、ラストのスプリント。


何とか競り勝ち、UCI marathon series Singen は 27位で終えました。
ゴール後は、膝の痛みが酷く救護室に直行。軽く手当を受け、レース終了後しばらくして、酷い痛みは無くなり、無事に日本まで帰国できました。


今回のレースは、マラソン UCI ポイント獲得がマストな目標でであったため、形はともあれ、27位の13pt獲得で終えられホッとしている部分はあります。また、落車が無ければ20位以内に入れた可能性もあり、今までの努力は決して無駄ではなかったことも確認出来ました。
しかし、昨年の世界選手権と同様、ヨーロッパのトップ選手との差は未だ大きく、さらなる自身の進化が必要である事も実感しました。それでも、最初の10kmと短かったものの、ヨーロッパトップ選手で構成された先頭集団に着いていき、そこで得られたことはとても多く、落車を含めた結果はともあれ、レースの内容は現状では納得しています。

私の専門とするMTBマラソン競技は、日本国内ではホビーレースしか無く、UCI ポイントを獲得するためには、どうしても海外のレースに出る必要があります。
しかし、そういった中で自身の現状の競技レベルを世界基準で考えることができ、また速い選手・強い選手はどういったレース内容でレースを展開していくのか、といったことを勉強できるとても貴重な機会でもあります。

この、マウンテンバイクマラソン、という競技を続けていく中で、またこういったレースに参加し、私が海外のレースに参加する中で感じ、得られたことを、より多くの方に知っていただき、国内のマウンテンバイクマラソン競技の発展に少しでも繋がっていけば幸いです。

最後になりますが、日本国内からのたくさんのご声援、誠にありがとうございました。

次戦は、地元 王滝村で開催の SDA in 王滝 100kmとなります。
疲労が抜けきらない状態で臨むことになりますが、現状で出来る最高のパフォーマンスが出来ればと思います。


team PAXPROJECT  宮津
 

2018年5月7日月曜日

Coupe du Japon CJ-1 びわ湖高島 朽木 stage

Coupe du Japon CJ-1  朽木

2018年5月4日(金)開催

出走カテゴリ:男子エリート (7 laps)

天候・コースコンディション:晴れ/雨・ドライ/ウェット

リザルト:1位/54名出走 (20名完走)

ピットサポート,メカニック・パーソナルサポート:PAXPROJECT・PowerBar,TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT XC-29er with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT XC-29er (gearratio:34 × 10-50t)

Distance:28.0km  time:1°32'21"  ave speed:18.1km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less 

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.7bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)

Normalized power:364w TSS:147.0 work:1,620kJ

Ave heartrate:175bpm Max heartrate:188bpm

Energy food, drink:PowerGel × 3, TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets


Coupe du Japon CJ-1 初戦、びわ湖朽木ステージに参戦してきました。

こちらでの報告が遅れましたが、4月より仕事の関係上、生まれ育った埼玉県を離れ、長野県王滝村に引っ越しました。
それに伴い、練習や生活といった日常を取り巻く環境がガラッと変わり、新しい生活が始まってから最初のレースということもあり、慎重に調整をしレースに臨みました。

また、昨年 2位だった相性の良いこの朽木のコース。
直前の調整でも、高調子であったため、目標を優勝と定め勝つために何が必要なのか、ということを考えながら練習をし、生活を送ってきました。

レース前日は生憎の雨模様。
昼過ぎに会場入りし、雨が上がり始めた午後からコースイン。
久しぶりのレースコースでの走行に加え、雨により滑りやすくなった路面に多少ばかり苦戦しましたが、無理のない範囲でコースを攻略していき、60分で3周回と短めに仕上げて、翌日に備えます。

レース当日は、晴れ時々曇りといった陽気。
しかし、風が強く吹く状態で、この風がレースにどう影響するのかがポイントになりました。

午前中のレースを走った選手から、コースコンディションの情報を聞いたり、実際にコースを見て回り、タイヤやエアのセッティングを決めていきました。
強い風や、ゲレンデ斜面に当たる日差しが強いことから、午後のレースにはほぼ路面は乾くと想定し、ドライ寄りのタイヤ、エア圧を設定。しかし、これが、レース中のネガティブ要素に働くとはこの時は考えられませんでした。

ウォームアップは、ローラー15分と強度高めの実走10分で仕上げ、スタートに備えます。

スタート位置は、2列目最左寄り。
定刻より10分遅れの、13時40分。男子エリート スタート。
Photo; Ito san
スタート直後は少し出遅れてしまったものの、第1シングルトラックの前までに 2位まで浮上。シングルトラック内でトップになり、その後は一旦落ち着きレースを進めていきます。
1周回目終了直前にチェーントラブルがあったものの、2周回目で再びトップに立ち、レースの主導権を握ります。

勝つこと前提でレースを進めていく中で、ポイントとなるのは、後続の選手を如何に諦めさせることができるか、如何にトップを追走する意思を無くさせるか、であると私は考えています。
今回は、その”完全に諦めさせる”ような行為を3~4周目にやろうと事前に考えており、2位以降の選手の様子を伺いながら、4周目を目安にペースを上げようと考えレースを進めます。

3周目以降は 今回2位でゴールされた、drawer THE RACING の小野寺選手との争いになることはある程度想定でき、小野寺選手と差が開く箇所、逆に差が縮まる箇所を把握しながら、レースを進めていく中で、最終的に1分以上は引き離したいと考え、ペースを作っていきました。
3周目の段階で、2位の小野寺選手とのタイム差は20~30秒。
Photo; Ito san
4周目に予定通りペースアップ。
この行為で第1シングルトラックまでに、今までよりさらに15~20秒ほどの差を付けることに成功しますが、この時から若干の小雨。
シングルトラック内が、少しばかりスリッピーに変化し、この時初めて今回のタイヤ選択とエア圧の選択ミスを痛感します。
下りで攻めに入りたかったものの。大きなトラブルを避けたかったため、無理な行為には出ず、その分、現状のタイヤセッティングでアドバンテージのある、ゲレンデの登りに的を絞り、そこでしっかり力を出し切れるよう、思考を変化させていきました。
Photo; Ito san
5周目、6周目と進み、タイム差は依然 30~50秒ほど。
登りで引き離し、下りで差を詰められるの繰り返し。
タイムアドバンテージはあるものの、ひとつのミスでリズムが狂うと簡単に逆転されてしまうような、まさに気の抜けない状況でした。

いよいよ、最終周回の7周目へ。
登りは、足が攣りそうになりながらも、すべてを出し切るイメージで。
下りは、リスクを最小限に抑えた守りの走りで、それぞれ攻めました。

優勝を確信したのは、ゴールラインが見えてから。
中盤以降はトップだったものの、最後の最後まで終始気の抜けないレース展開でした。


そして、私自身2度目の CJ-1 優勝で、無事にレースを終えました。
Photo; T.Miyazu
今回のレース、事前の調子の具合から、目標を優勝と定めレースに臨みました。
蓋を開ければ、無事に優勝でレースを終えられたものの、2位以降の選手を大きく引き離すという目標は達成できず、また私自身の走りも思い描いていた走りには程遠く、優勝という形よりも、自身の課題に悔やまれるレースであったと、振り返ってみて感じています。
しかし、王滝村に越してから初のレース参戦ということもあり、手探りな部分も多かったですが、それでも、有言していたことを無事に達成できた、という点に関しては満足しています。


4月より、王滝村に引っ越し、生活様式がガラッと変わりました。

まず、一番の壁となったのは仕事、食事、睡眠といった基本的な事項。
一人暮らしでは普通なことですが、家事をはじめ全てのことを、全部自分でやらなければなりません。
しかし、日常の時間をすべて自分で管理することは、やることに対して自然と責任感が生まれ、逆にプラスになっていることも、多少ばかりあると思います。

また、仕事はフルタイムで働いているため、平日の日中は当たり前ですが練習ができず、基本的には、主に朝と夜の二部に分けて練習しています。
この練習も、如何に効率の良い練習をするか、と並行して、如何に良い環境を使って楽しく練習ができるか、という点にフォーカスを置いて考えいます。
王滝村は、下界でも標高が900m近くあり、今の私の住居に関しては、標高1020mのところで生活を送っており、そういった時間効率を上回るほどの環境の良さの中で練習できる、ということが今の私を支えていると自負しています。

これからも、この王滝村で暮らしていく中で、限られた時間・費用を上手くやり繰りしながら、自身の納得のいく結果を残すことができるよう、引き続き精進していきたいと思います。

最後になりますが、今回も最高のサポートならびたくさんのご声援を、誠にありがとうございました。
Photo; Ito san
次戦は、5月13日 ドイツ-ジンゲンで開催のUCI mountain bike marathon series になります。
今後とも、ご声援のほどよろしくお願いいたします。


team PAXPROJECT  宮津