2016年9月19日月曜日

SDA in 王滝 2016 120km

SDA in 王滝 120km

2016年9月18日(日)開催

出走カテゴリ:120km(100km+20km loop)

リザルト:総合1位

サポート・バイクメンテナンス:PAXPROJECT

Ride data of PAXPROJECT FS-29er Di2(prototype)with garmin edge 520

distance:115.3km time:5°57'09"  ave speed:19.4km/h

ave heartrate:155bpm  max heartrate:181bpm

normalized power:252w  training stress score:323.5  work:4,623kJ

機材について触れてみました。(後日追加)
http://yroppi88.blogspot.jp/2016/09/blog-post_22.html?spref=fb

国内で行われるXCM(クロスカントリーマラソン)の頂上決戦とも言える、SDA王滝の120kmの部門に参加してきました。

結果は総合1位でXCMの王滝関連では初優勝。
未だに信じられませんが、少しずつ実感が湧いてきています。

5月に行われた春の100kmでは総合2位。昨年の5月100kmは総合2位、9月は3位とあと一歩というこれまでの順位であったので、今は素直に嬉しいです。

それでは、レースの話について書かせて頂きたいと思います。


レースの展開については、5月大会と同様に今回も池田祐樹選手と、終盤までご一緒させて頂く形となりました。
レース序盤から雨脚が強まり、比較的遅いペースでレースが進みますが、最初の登りを終えた時点で既に池田選手と2人パックになります。
その後は、池田選手と先頭交代を交えながらペースの減少を最小限に抑えるべくレースを進めていきます。
レースが動いたのは、第3チェックポイントを過ぎた地点から。
登り返しで私がスーッと前に出て数100メートル進み、池田選手と2~3秒差がついたことを確認して、若干のペースアップ。
そこからの地点で逃げ切れるかどうかは微妙なところではありましたが、何とか最後まで逃げ切ることができ、120km総合優勝という形で終えることが出来ました。

photo by. m.ayano 様


そんなレースでしたが、レースの展開以外の点からも少し書きたいと思います。

まず、今回のレースの一番のポイントとなった点は、雨というコンディションでした。
それも単なる小雨ではなく、本降りである大雨といっても良い状態。

私自身、王滝参加はこれが5回目ですが、雨というコンディションは初めてでした。
そのため、入念な準備をした上でレースに臨む必要があると考え、雨、風等の様々な状態を想定しレースで使う備品を決めてました。

その中でも、とても迷ったものはウェアになります。
想定していたウェアは3パターン。
1, 上 長袖カッパの下に通常のレースウェア+下 ロングタイツ
2, 上 ウィンドベストの下に通常のレースウェア+下 膝下までのタイツ(ニーウォーマー)
3, 上 通常のレースウェア+下 膝上までのタイツ
結局レース直前の天候で判断し、2,の服装で今回は出走しました。

王滝のレースの特徴は、コースがある程度標高が高い場所で行われる事と、平坦が殆どなく、常に登るか下るかの運動をしているという事になります。

そのため、過剰装備は登りで必要以上に発汗を促進させてしまうネガティブに、また必要最低限の服装であると、下りでの急激な温度低下によって登りでのパフォーマンス減少に繋がるネガティブになってしまうという事を考えました。

今回選択した私のウェアは、そのどちらのネガティブな要素にも対応できるいわば中間の服装であったと考えています。
実際には、リアルスタートまでにウィンドベストは脱いでしまいましたが、例えベストを羽織っていたとしても十分ではなかったかと今は思っています。
対比させてしまい申し訳無いですが、ご一緒した池田選手の服装は3,の通常のレースウェアでした。
後にお話を聞きましたが、登り返しで脚が温まるのに若干の時間を要してしまったと語られていました。そのため、第3チェックからの登りで私の動きに反応できず、そこがターニングポイントになってしまったのではないかと考えています。
こうした、服装からも勝負の行方を左右してしまうところが、非常に難しい所でもあり、奥深い所でもあります。


次は、走りのスタイルに関して考えます。


5月王滝の展開についてご存知の方は分かっていらっしゃるかと思いますが、登りと下りにおいて作戦を持って臨みました。
(5月王滝についてはこちらから http://yroppi88.blogspot.jp/2016/05/sda-in-2016-100km_24.html 別リンクに飛びます)

私は今回の120kmの部門に出場された選手の中で、登りに関してのみは中々の自信がありました。同時に下りで他の選手よりも劣ってしまうと感じる点もありました。
そのため登りでの優位性を考えた上で、他の選手より早く登りを終えて数秒早く下り始め、下り終わりで追いつかれる、ないしは抜き返されても前の選手が見える範囲で次の登りに入る必要があると考えていました。

もちろん今回もその作戦をとって、池田選手とレースを進めていこうと考えていましたが、第1区間の登りが終わった直後でその作戦は今回に関しては通用しないと感じました。
その大きな原因は、雨です。
斜面を滝のように下り落ちてくる雨水や泥水から、登りの速度が思ったよりも上がらず、また下りも同様にコーナーでは路面が締まって曲がりやすいものの、直線になると、雨水の上を行く際に水が抵抗になってしまい、下りスピードが思ったよりも伸びません。
また雨での登りは、登りでのパワー消費の他に体温維持という行為によるエネルギの消費も同時に行っているため、登りで無理に先行しタイム差をつける作戦をとると、後半のペースダウンの原因に繋がると判断しました。また逆に、下りでの速度が上がらないため、無理にタイム差をつけずとも下りの区間でそうは差がつかないとも判断しました。

この登りでのエネルギロスと、下りの速度という観点以外にもう一つだけ実行したことがありました。
それは、登りにおいても下りにおいても、出来るだけこちらが先行するという形をとることでした。
通常の王滝でのレースとは異なった今回のレースですが、路面においてネガティブとなった点はやはり雨水。
下りにおいては、前走者のスリップに入りこもうとすると、水しぶきをモロに受けてしまうため、中々ぴったり後ろにつくということが難しい状況でありました。
また登りにおいても、身体重量やバイク重量を含む点から、ケイデンスの違いやライン選択の違いによるライダーの特性、またリアサスの位置(4バーリンク or フローター)によるサスペンションのアクティブ時での障害物を乗り越えるタイミングまで、考えだしたら限りが無いですが、こういったところを、後ろについて相手方に合わせてましてや雨の中で走る、と考えると私は先行の方が楽に自分のリズムで登れると序盤で判断しました。

そのため、出来るだけ池田選手より先行させて頂く形をとり、レースを進めました。
そういった点も、レース後半のスタミナに多少は反映出来たのではないかと考えています。


最後は、データの考察になります。

今回もリアホイールにパワータップを装着しレースを走りました。

今回のnormalized powerは252wと先ほども記載しましたが、出力に関してそれぞれのゾーンでの運動時間は以下の時間分布のようになりました。

 
今回は極力FTP以上の領域で踏まないように心掛け、最後までペースを落とさないページングをすることが目標でしたので、この目標は達成できたかと思います。

後は、出力、W' balance、心拍数の関係について。


W' balに関してはCJ白馬の記事で紹介しました。(http://yroppi88.blogspot.jp/2016/09/coupe-du-japon-cj-1.html
W' はマラソンレースなだけあって、緩やかな右肩下がりになることを期待していましたが、思ったより傾斜が緩かったのが特徴でした。
また、序盤の登りのペースはなりに身体に負担が掛かっていることが読み取られます。
心拍数ですが、第3チェック後の仕掛けで、そのまえの登りよりも平均で+5bpmほどあがるといった結果になりました。
これは、しっかりリズムアップをすることが出来ていると考えと良いと思います。

どの項目からみてもも分かることは、序盤の方が身体に負荷が掛かり、そのツケを中盤以降にどう対応し処理するのかという事になるかと思います。
XCMにおいても、機材や技術に進歩もありレースでの平均スピードが上がってきていますので、XCO(クロスカントリーオリンピック)のようなある程度速い動きに対応できる能力も必要になってくるかと考えています。
このデータから、ある程度速い動きをXCMのトレーニングにおいても積極的に取り入れて行く必要もあるかと考えさせられました。


ちなみに今回出会った(出会ってしまった)動物シリーズは、サル、オコジョ、カエル、後はクマ(ダム湖で池田選手が発見していました)でした。クマだけは、勘弁して欲しいですし、目が合わなくて良かったです。



最後になりますが、今回も多くの方に支えて頂きこのような結果を残すことが出来ました。
改めて、本当にありがとうございました。

次回のSDA王滝は、どうなるか見当がつきませんが、今年の自分を超えるような走りが来年はできればと考えています。

悪天候の中でしたが、参加された皆様、本当にお疲れ様でした。

それでは。

PAXPROJECT 宮津







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